太陽の塔は強烈な力を放っていた。
圧巻とはこのことだ。
なんだかはっきりしないこれからのモヤモヤした未来を、ぶっ壊すほどの塔で突き破ってくれた。
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そうだ、太陽の塔を見に行こう。
ボクはその日、妙に力のあるものを見に行きたくなった。
この始まったばかりの2021年に、何をするべきか?
実家のありがたいお節料理を食べながらも、脳内エンジンがギシギシと爆発しそうであったのだ。
そのまま千円札だけ握りしめて走り出した。
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予定にもないことで、着いた時は夕方の4時前。
万博公園は閉まりそうな空気であったが、吸い寄せられるように太陽の塔へと入園した。
(久しぶりにみると太陽の塔でけぇな)
そのまま太陽の塔の周辺を回っていると、太陽の塔の内部に入れる案内が出ていた。
こんな機会ないよな…
そのまま720円を払い、太陽の塔の内部へ…
太陽の塔の内部は生命の樹でどっしりと存在感をアピールしていた。
この樹だけは1970年の万博からそのままの状態で生き残っていたらしい。
力をむき出しに上へ上へと伸びていく。
その頂点にあの金ピカの未来の顔が出来上がると思うと感慨深い。
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太陽の塔のこの力は何なのだろうか?
そこに感じるのは、岡本太郎の何を言われても自分を信じぬく芸術に対する素直さな気がする。
ボクはまだまだ自分を表現できないし、弱い。
だからって岡本太郎が特別強かったのだろうか。
そんな雑念を、なんとか表現として吹っ飛ばしてきたのではないだろうか。
その吹っ飛ばすエネルギーこそ、今年の初めにボクが欲しかったガソリンのようにも思える。
今年はどうなるのだろうか?と思ていたが、そうではない。
今年をどうしていこうか?その掴みかかるような野生的に飛び付く勢いがいるのだ。
帰りの阪急電車の窓には狼のように眼光ギラギラのボクが反射して映る。
それは岡本太郎の呪術にボクはすっかりかかってしまったのかもしれない。
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