無限のように感じ取られた休みの始まりも、線香花火に火がついた瞬間、落ちてしまったようだ。
たしかに火花を散らしたように見えたが、終わった後の虚しさの方がよく認識できる。
こうやって何でも一瞬で終わってしまうのだろう。
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もしまた休みの始まりに戻れるとしたら何をするだろうか?
やり残したことがないか考えてみると、紅葉や会えてない友人に会う等、ボクが選ばなかった"また別の休みの日"が思い浮かばれてくる。
その時の限られた環境や時間の中で、選択次第では、あり得たかもしれない未来。限られた時間の中で選ばれなかった未来でもある。
もしこのまま地元に残り暮らしていたら……。
後ろ髪をひかれる。
限られた時間だからか?
また愛知県に戻ろうとする駅に立ち、ふとそんなことを想像したりする。
でも今思えば、そんなことをこの地元へ向かう行きの電車でも考えていた。
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ボクがいま住む愛知県から地元大阪へ向かう時、以前住んでいた東海地方が電車に映り込んだ。
歩いた坂道に、よく待たされた踏切、立ち寄った喫茶店を、電車側から覗く。そこに"確かに住んでいたボク"を覗いていた。
「もしまだここに、住んでいたら…。」
グッとそこで暮らすボクと、電車から覗くボクとが目を合わすのだ。そのまま選ばれなかったボクが電車のスピードに流され消えていく。
それは帰りのこの電車でも言えるのかもしれない。地元に住むボクを選ばずに、愛知県に住むボクを選んで、その現実へと戻っていく。
その電車に今乗っているのだ。
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なんでも振り返れば一瞬で終わっている。
次はどんな選択をして、今のボクを選ばなくしていくのだろうか?
正解なんてないのだろうけど、流されることなく、確かな意思で、その選択をしていきたい。
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