ボクは雪の踏む音が嫌いだ。
雪のじゅうたんがぐーーッと押し込まれていく音に、体が反射的に嫌がってしまう。
雪の踏む音が嫌になるまで積もったことはそんなにないのだが、日常ではない、例えばスキー場に行ったときや映画の雪のシーンなどで、雪の踏む音を聞くと背中がサワサワっとする。
それがなんで嫌なのか説明はできないけど、黒板に爪を立てる音が嫌なのと同じ理論だ。身体が身構えてしまう…。
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ただ雪そのものが嫌いという訳ではない、むしろ大好きだ。
雪はクリスマスの終わりをかき消してもくれる。
それは大好きなクリスマスが終わった時期に、雪は合わせるように降り始めるイメージが子どもの頃からずっとあるからだ。
幼少期のぼくは窓から雪が見えると、終わったクリスマスの寂しさも忘れて急いで外に出る。
そのまま大きな口をあけてパクパク雪を食べているような奴であった。
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そんな雪が、今朝から点々と屋根や草の上に残っている。
昨日は、最低気温は2度まで下がり、冷気が防寒着の奥にある身体にまでグッと突き刺すような寒さであったためか?
上空の寒さを超えて、雪が愛知県にポツポツと落ちてきたようだ。
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大人になりそんな雪を見ていると…
服が濡れてしまう。
自転車で滑ったらどうしよう?
寒くて風邪をひく…
と、起きてもいないリスクを勝手に作り上げてしまっている。
なんだかあの子どもの頃見ていた雪とはずいぶんと違う見方をするようだ。
こんな見方をするようになったのは雪だけなのだろうか?
僕があの頃見ていたものは変わらずに見えているのだろうか?
「雪の踏む音」でもないのに、反射的に体が嫌がってるのが、どこか年老いた自分を感じてしまうのだ。
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