クリスマスの朝。
起きると枕元にプレゼントがある!
そんな友人の話を聞くといつも羨ましかった。
子どもの頃、サンタがボクの家に来ることは一度もなかったのだ。
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サンタが家に来ることはなかったが、プレゼントはいつももらっていた。
どういうことか?
ボクのサンタは、実家には来ずに、実家の近くに住むおばあちゃんの家にいつもプレゼントを置いていくのだ。
そのためクリスマスの朝になると、顔を洗い服に着替え、おばあちゃんの家にいき、プレゼントをもらう段取りになっていた。
朝の弱いボクはそれが苦痛で、「学校が終わってから取りに行く…」とグズグスしていては、
「早く取りに行きなさい!」
とよく母に叱られていた。
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「ちゃんとおばあちゃんにお礼を言いなさいよ!」
母からいつもそう言い聞かされていたが、子どもながら、なぜおばあちゃんにお礼を言うのかわからなかった。
『お礼を言う相手はサンタさんじゃないの?』
とりあえず眠たい中おばあちゃんの家に兄弟揃って向かう。
冬の朝だから、これがまたすごく寒くて辛い。
プレゼントをもらう嬉しさより、朝の苦痛の方が子どもとしては上回ってしまうのだ。
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おばあちゃんの家に着くと、ニコニコしながらおばあちゃんは待っていた。
「はい、これプレゼントだよ。サンタさんがいい子にしてたからプレゼントをくれたんだよ」
クリスマスプレゼントを見た瞬間から兄弟みんな大はしゃぎ。
朝の寒さを忘れて大喜びをしたものだ。
結果としてちゃんとおばあちゃんにお礼を言えていたかわからないけど、プレゼントをもらえた嬉しさは十分に伝わっていたと思う。
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ボクがおばあちゃんの家にクリスマスプレゼントを取りに行くことは無くなった。
けれど、今自分の子どもが、ボクの母親に会いに行ってくれたら嬉しいんだろうなぁ。
そうやってまたボクも自分の親がやってたように歴史は繰り返していくものなのか…。
みんなサンタさんになりたがる。
それはプレゼントをもらった笑顔の子どもを見て、大人も子どものように笑顔になれる瞬間なのかもしれない。
そんな子どもサンタがまたどこかのおばあちゃんの家に、寒い朝からプレゼントを"受け取り"に行ってるのかもしれない。
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