日本語だけど、日本語じゃない。
よく分からない日本語の会議がひらかれる。
昨日、下半期どのようにして業績を確保するか僕の会社では、数字がたくさん書き込まれた資料をチーム毎に用意し、発表していた。
しかし部長の機嫌は、会議が進むごとに悪くなっていく。
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1チーム目から資料を基に話をしていく。
1チーム:
「コロナ禍で業績が厳しい中、非常に…(省略)。下半期100件の業績確保のため、30社ほどにアクションをかけていきます。スケジュールとしては11月上旬を目途にリストアップし、11月末には20件の数を確保します。以上です!」
広い会議室にいろんな数字、いろんな日本語が放たれ消える。
少し間があいて、部長が口を開いた。
部長:
「30社って何の業種?」
「11月上旬を目途にリストアップって10月から下半期に入ってるのにまだ対象もできてないの?」
「アクションって具体的に何をするの?」
「あと、コロナ禍で大変とか前置きはいらない。みんな一緒やから」
その質問に、「えっと、あっと…」としどろもどろになっていく1チーム。この光景なんだか見たことあるな~と思っていたら、以前にそのような情景を記事で書いていた。
まるで世界を巻き戻したかのように、同じ時間・空気感を味わうことになる。そうやってチームが進むごとにどんどん部長の質問も荒くなっていく。
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会議を終え、部長がその場から去ると、「いやぁ恐かったなぁ」と傷を舐め合う安堵感に包まれる。
でも正直僕も、何をやってるのかよくわからない。
「協力関係を構築する」とか「引き続き対応する」とか、日本語だけど、何をしてるのか見えてこないのだ。
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「他が忙しくて今月は何もできていません!これからのことも考えていません!」
正直なことを言えばはっきりするし、めちゃくちゃ分かりやすい。
でもそんなこと口が裂けてもサラリーマンは言えないため、ぼんやりした未来にぼんやりした言葉を置いていく。
そんなぼんやりした世界にいると、僕もぼんやりに染まってしまいそうになる。
日本語の会議。
知ってる国の言葉なのにどこよりも遠くて伝わらない。でもそれは話し手が伝えたいことなんて一つもないからなのかもしれない。
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