元上司とウナギ弁当を食べながら

僕の異動を聞いて、元上司が昨日お昼に誘ってくれた。

会議室に案内されると、そこにはウナギ弁当が2つ用意されており、

「まぁ食えよ」と元上司に言われ、僕は遠慮なく蓋を開けた。

 

少しこの元上司について説明すると、僕が所属していた部の3年前の部長である。定年を迎え、今は関連会社で勤めているのだ。ただこうやって二人でご飯を食べることはなかったので、少し新鮮さを感じていた。

 

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ウナギ弁当をむしゃむしゃと二人で食べる。

そんな静かな会議室の中で元上司が組織評価について話し始めた。

 

 「基本的にどの世界も公平だよ。その公平には上限はあるが、上限内においては、公平だし、とてもシンプルだ。」

 

「人の評価って能力の良し悪しで決まるように感じるが、素人の集まりにそこまで能力の差なんて生じないんだよ。得意・不得意ってのはあるかもしれないけど、それで大きく評価につながるほど、能力って力があるわけじゃないんだ。」

 

「じゃあ結局何で評価されるかって聞いたら、”一生懸命”やってるかどうかだけなんだよな。」

 

 

 

すごく単純だが僕の中でとても腑に落ちる話であった。 

そうだよな、確かに得意不得意はあるけれど、もし自分が上司の立場だったら、一生懸命の人を応援したいもんな。人間って十人十色っていうけど、本質的な感情はそんなに変わりないのかもしれない。

 

 

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そして組織評価から仕事の心得のような話に変わっていった。

 

「ただ異動してもお前の長所は絶対に腐らせたらいかんよ。能力だけでは力はないけれど、長所を活かすことで自信になり、それが結果として一生懸命につながってくるもんなんだ。そして一生懸命仕事することで自分の”軸”が作られる。」

 

「この会社に長くいると右へ左へ軸がぶれる奴ばかりになってくる。それは指示ばかりされて自分で考えてないんだわ。自分の軸がない。こうなると今やってることを質問してもシドロモドロになっちまうんだな。自分で考えてないから何をしてるか答えられないんだ。」

 

「それは空しいことだ。異動しても異動しても自分の軸で働いてないから、”自分の仕事”ではなく”やらされ仕事”だと思うことになる。これでは何にも残らない。だから腐らず一生懸命に、これが大事になってくるんだな。」

 

 

 

 

昼休みが終わり、お弁当のお礼を言って、元上司とはそこで別れた。

 

異動先でも仕事に忙殺される日々が必ず待っている。その時にどこまで今回の言葉を覚えて入れるか、思い出せるか。

 

せっかく貰った言葉。うなぎの味のように忘れてしまいたくはない。

 

 

 

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