リスクを想定して次の準備に備える。
当たり前であり大事なことだが行き過ぎるとそれはイジメでしかない。
関連会社が訪問先で足を滑らし転倒したと連絡が入った。
「けがはないんですけど、もし後で何かあったらあれなので念のため連絡しましたー」とのこと。報告・連絡・相談をどんな小さなことでも共有する、まさに組織の基本である。場所や時間、状況を確認し、上司へそのことを伝えた。
すると、上司は浮かない顔をして「ん~管理職に言うか…」と腰が重そうだ。
上司と僕で管理職に伝えると、
・事の経緯をまとめるよう関連会社にヒアリングし報告書を作成
・僕と上司は今から転倒した現場へいき、なぜそのような事が起こったのか関連会社と現場検証。合わせてその検証結果の報告書を別途作成
・関連会社には現場検証後、病院に行くよう指示し、その後の経緯の報告書をだすよう指示
・転倒したことにより持っている機材に破損等はないか確認し、機材関連の報告書も別途作成
と訳も分からないぐらい報告書の作成を要請された。
頭が真っ白になりながら関連会社へ、現場検証をいまから行うから、転倒した場で待機するよう連絡を入れる。
「いやいやドグマさん!そんな大げさなことでないです!ちょっと転倒しただけなので!」
気持ちがわかるが、そう関連会社に言われてももう遅い。
報告が会社に入った時点で組織としては動かないといけないことを僕は痛感した。そして転倒現場へ車で1時間半かけて上司と向かう。
上司から「前、警察に30秒ぐらい職質されたと他の関連会社から連絡が入ったんよ。そのことを管理職へ共有したら、同じように報告書や現場検証をさせられたんだ。その時は3日ぐらい資料作成にかかったよ…今回も嫌な気がしたんだよな…」
30秒の職業質問に対して報告書作成に3日?
リスクを費用対効果で考えてはいけないが、それってどうなんだ?
****************************
現場につくと関連会社は申し訳なさそうに待機していた。
そして転倒した場を検証する。そこには泥のついたタンポポが揺れていた。
大人3人で転倒の原因になったタンポポの写真をとり、この泥はどこから来たのか?と意味の分からない事を上司が関連会社へ質問していた。
「泥がどこからついたかですか?道を歩いてだとは思いますが。昨日雨もすごかったですし…」
「どこの道を歩いて泥を踏みましたか?」
「え~!?どこの道で?」
こんなやり取りを1時間ほどして、関連会社へは病院に行き、明日までに経緯書を書くよう指示した。
会社へ戻り、僕も経緯書作成に入った。
******************************
僕がおかしいのかもしれないが、今回の件で管理職はむしろ「今後はこんなことで報告をするな」と暗に発してるとしか思えていない。
責任を持ちたくないから、あえて多くの報告書を出させて、「この管理職に報告すると大変だから報告しないでおこう・・・」という方向へ持っていかせるように感じる。
リスクヘッジという一見正義を振りかざすが、やってることはさらなるリスクを生み出す職場環境を作り上げているのだ。そして僕もそんな報告書を何枚も書くと思うと嫌気がさす。
泥がどこからついてきたのか?
今ならわかる気がする。
きっと道ではなく人の心からだ。
最後までご覧いただきありがとうございます!