ふと昨日風呂に入りながら、外に続く網戸を見ていた。

網戸から雲のかかった月が光っている。

それをボッーと見ていた。

 

小学校で公園から遊びに帰るときの月

高校の河原でアイス食べながら見上げていた月

 

住む場所も人間関係もかわり、ずいぶん大人になったと思ってはいたが、月は全く変わっていないし、それを見てると、自分も何がそんなに成長したんだろうと考えてしまう

 

ぼーーーと小学校一年生から今に至るまで

出来事や印象に残ることを一つずつ思い出していた

 

随分昔のことのようなのに

やっぱりつい最近のような変な感覚だ

 

年柄もなく昔好きだった人のことを考えたり

喧嘩したことや怒られたこと

父親に反抗したことや

エロ本がバレたことなど

感情が揺さぶった出来事を思い出していく

 

自分が夢中になったことは何だったんだろう?

小学校4年生ぐらいに当時、ドラえもんの映画宇宙漂流記がやっていた

その世界観が好きで、マンガにしたことを思い出した

 

中学生の頃はとにかく塾がスパルタ塾でテストで悪い点を取るとボコボコに叩かれていた。そのため中学はある意味でこの塾に夢中になっていたかもしれない。

 

高校では洋楽にドハマりして、当時の2ちゃんねるHMVの感想から名盤と呼ばれるアルバムを借りてはCDRに焼き付けていた

 

確かにその時の過去の記憶はあり、

確かに僕はその時生きていたわけだが

今もその僕が当時の僕と繋がっていると思うと不思議な気持ちになる

 

以前卒園してから20年ぶりに幼稚園に顔を出したことがある

幼稚園の校舎に入ると天井も椅子もトイレも全てが低い

敷地は狭くなんだかとても窮屈だった

 

しかし幼稚園の記憶はどこまで広がるほど広く

それこそ今ボーーっと見上げている月ともつながるような感覚であった

 

シャンプーをして風呂から上がり

ちょっとだけコンビニで炭酸水を買いに行くため外に出た

 

自転車にのり、涼しい夜の中をペダルに力を入れて漕いでいく

月はどんどん雲に隠れていく中、街灯がぽつぽつと町のシルエットをはっきりと残しながらも、そこだけストーリーをまつようにスポットライトを当てている

 

ファミリーマートにつくと、駐車場に色とりどりのマスクを顎にかけたヤンキーたちが

コロナと戦いながら煙草の煙を吸っている。

東南アジア系の店員と僕しかいないファミリーマートで炭酸水をとり、クレジットカードを渡す

 

「ポイントハ使イマスカ?」と名札に若葉マークがついている店員に聞かれ

「大丈夫です」と答えた

「ハイ」と応答され、そのまま僕のTポイントが使われた。

 

意思疎通が図れないままポイントにより0円になった炭酸水を渡され、ファミリーマートをでた

 

「でさぁあいつ結局女とヤリまくってるンヤニ!」

駐車場にたむろっている東海の方言を聞きながらまた月を見上げた

 

月はすっかり雲にかかり雨がぽつぽつと降ってくる

 

ヤンキーも僕も急いで帰るべきところへ帰っていく

街灯は変わらずスポットライトのように何かを待っている

 

梅雨に入りまたしばらく月は見れなくなるのだろうか?

次はどんなスポットライトを映してくれるのだろうか?

 

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