川を渡る

今の職場から次の職場への引き継ぎの関係で数日間、ホテル暮らしが始まった。

今日はそのホテルから天気もいいのでランニングをしてみた。

 

海に繋がる河川敷を走っていく。

カンカンに太陽が出ており、Tシャツがバケツで水をかけられたように汗でびしょびしょに濡れるほどに暑い。

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川も干上がっていたので、河川敷に降りて、乾いた砂道を走る。

すぐに靴に砂が入り、だいぶ居心地が悪い感じだ。

 

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向こう岸までと思って走っていたら、まだわずかに川は繋がっており、立ち止まってしまった。

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これどれくらい深いんだろう?

走ることからだんだん渡ることへと目的が変わり始めていた。

別に渡ったところで何が変わるわけでもない。

渡ってもただ濡れるだけの話だ。でも僕はどこかで、この単調な走りに飽き始めていた。

 

あの石の群れからこちらを見てみたい。

 

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 ということで、川を渡った。

綺麗なのかさっぱりわからないけど。

とりあえず靴と靴下を脱ぎ、川へ足を踏み入れてみた。

 

まず感じたのは「懐かしい」だった。

そうか、今年はコロナで海や川へ一度も入っていないんだ。

足が水面の揺れを敏感に感じ取る。足が砂の奥へ入り込んでいく。

向こう岸へ向かう程どんどん川が深くなり、くるぶし、ふくらはぎ、腰と浸っていく

 

普通に「スマホ濡れたらどうしよう」とか思ったけど、

もう画面われてヒビ入ってるし、いいかなと思ってたら、腰辺りが最も深い部分で、そのまま石の群れへとたどり着いた。

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体を乾かしながら、ふと川を渡ったことを考えていた。

川を渡ろうと覚悟した時はいつだったか?

 

それは、「向こう岸へ行きたい」と思った時ではない。

川に足を入れた時でもない。

 

「靴を脱いだ時」。

ここで、自分の中で空気が変わったように思う。

 

いつもの日常から、少し、でも確実に異質な行動へ移る瞬間。

その瞬間からいつもの日常ではない思考で、動いていた。

濡れるのめんどくさいとか意味ないとかそんな僕はいなかった。

 

靴を脱いだら、靴下をぬぐ。

靴下を脱いだら、川を渡る・・・

そんな非日常の行動をしていた。

 

 

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次の場所ではどんな感覚を抱くのだろう。

そしてそこから僕はどれだけ思うだけでなく、行動として出すことができるのだろう。

 

他人から見たら、訳の分からない川を、いくつも次の場所でも渡っていきたい。

 

 

 

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