銀の匙をくわえて。

 

 

産まれて100日目。

 

食べ物に困らないようにと儀式に慣わし、「お食い初め」を行った。

 

 

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百日祝い(ももかいわい)とも言われるこの儀式は、平安時代から行われてきたらしい。

 

乳歯が生え始めるこの時期に合わせて、食事をする真似をさせてみるのだが、まだ僕の子どもは歯すら生えていない。

 

歯茎に歯固め石をつけたお箸をポンポン乗せて健康な歯が生えてくることを祈っていた。

 

 

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お食い初めは、日本だけでなくヨーロッパでも同じような慣わしがあるみたいだ。

 

イギリスでは日本と同じくお食い初めのように食べ物を食べる真似をさせる。

 

日本と違うのは箸ではなくスプーンを使うことだ。

 

富裕層は、貧困層の木のスプーンでなく銀のスプーンで子どもに初めてのご飯を食べさせる。

銀のスプーンで食べさせることで一生ご飯には困らない、そんな意味を込めて、ヨーロッパでは銀のスプーンを贈る慣習までできたとのこと。

 

銀の匙をくわえて生まれてきた」という慣用句は、ここからがルーツになっており、どこの国にも子どもを思う気持ちは変わらないのだなぁとグローバルな慣習に考えるものがある。

 

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さて、ドグマ家に話が戻ると、豪華なお食い初めセットが食卓を囲んでいた。

 

食べる順番や配置など、全く知らない僕らであったが、とりあえず写真だけは納めようと、鯛もお吸い物もすっかり冷めようがパシャパシャと撮っていた。

 

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こういう時の奥さんは怖い。

SNSには監査人でもいるのか?

 

「机が平行になっていない!」

「もっとカーテンの光をいれて!」

「鯛が曲がってる!」

 

僕には見えない、美とされる写真の何かが奥さんには見えているみたいだ。

 

永遠とその構図を奥さんは追いかけていく。

僕も子どももお食い初めの品もヘナヘナと萎えていくようであった。

 

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お食い初めを終えて、食べさせる真似ばかりだったので子どもには、たくさんミルクを与えた。

 

これからも子どもがご飯を食べることに困らないことを祈りながら、笑顔が絶え間ない食卓が末永く続くことを合わせて祈るのだ。

 

 

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