「ちょっと風邪」 気楽に云えた 遠い日よ

 

 

「ちょっと社員が風邪をひいたみたいで」

 

関連会社からの連絡は、ボクの業務を一気に止めてしまった。

 

上司からは、

 

「病院にすぐに行け!」

「他の社員の症状は!?」

「昨日までの動きは!?」

 

…。

 

 

…。

 

 

ちょっと風邪…。

 

 

そんな発言が出たら、記者クラブでも開いたかのように取材、報告書作成、伝達、指示…

また取材、報告書作成、伝達、指示…。

 

ボクはずっと報告書を作成していた…。

なにをボクは今作っているんだ?

 

ボクらはどこへ向かっていくのだろう?

 

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結果として、コロナではないということがわかり一件落着。

 

とはいえ、その報告を受けたのは夜7時を回った時だった。

 

朝から指示を出されて、ずっと作っていた行動記録や、経緯書・報告書などは、「大丈夫だからもういいよ」の一言で終わる。

 

ボクは何をしてるんだろう?

 

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小沢健二がそんな皮肉な状況を俳句のようにツイートをしている。

 

 

 

 

本当にそんな状況。

まるで人を車で轢いたように、風邪をひくことが重い重い案件になっている。

 

この後に及んで、コロナになろうものなら村八分の勢いだ。

 

そうならない為に、せめて「しっかりと状況把握はしています。」と言うためだけに、ボクは資料を作っていたのだろう。

 

 

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社会が混乱状態になっている。

 

コロナが怖いのか?

世間の目が怖いのか?

 

感染拡大防止という行為が、いつしか脅迫概念のように世に取り巻いている。

 

 

電車の中で、喉がかゆくなり咳をしたくても、グッと唾を強く飲んでガマンをした。

 

本来ある自然な行為を、グッと押さえつけて、不自然な社会の流れに今日もボクは居させて頂きたいのだ。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます。