1日中、抱きしめられる。
昼間はわんわん泣きずっと子どもを抱っこしている奥さん。
夜は僕が子どもを抱っこして寝かしつけている。
子どもは1日中、抱きしめられているのだ。
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「う、う、う、あうあう」
夜になると服の袖まで届かない、短い腕を宙でかきながら子どもは夢を見はじめる。
うなされているのか、楽しんでいるのか。
険しい顔をしたり笑ったり。
布団の上でカクカク動いているのだ。
つい触りたくなるが、風船が破裂したように泣いてしまうのでそこはぐっと我慢。
黙ってその夢の冒険を横で想像しながら添い寝している。
ただじっと見ていると視線を感じるのか、パッとマブタを開き目が合う。
「ううう!」
目が合うと声を大きくし抱っこしてアピールをするのだ。
毎回抱っこをしていると体の負担がすごい。
抱かずにほっておくと、そのまま寝てくれる場合もあるが、どんどん声が大きくなり興奮して泣いてしまうこともある。こうなると子どもの眠気も飛び、一晩中、起きてしまうこともある。
抱きしめるタイミングは駆け引きなのだ。
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深夜 寝言を言ってると思ったら、目を開いて起きている時もある。
そういう時は大抵お腹が空いたことを訴えているのだ。
「あうあう」言って訴えてるので、奥さんを起こして授乳の時間となる。
お腹が満たされて布団にそっと戻すと、さっきよりもさらに苦しそうに「あうあう」布団の上で腕を回している。
なんで苦しそうにしているのかわからず、抱きしめると、すっと落ち着き、そのまま腕の中で眠ってたりする。
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子どもにとって抱きしめられて何を感じ取っているんだろう?
暖かさなら、毛布をかぶせている。
でも毛布だけでは1ミリも感じ取れない何かを抱きしめることで感じ取っている。
温度では表せれない体温。
それは子どもにとっても抱きしめている僕にとってもその熱が伝え、伝わっている。
お互いの心の中でクルクルと暖かく優しい気持ちが回っているような気がするのだ。
そうやって腕の中で、子どもが安心して眠っている姿をみると、僕自身を受け入れてるような気がして嬉しくなる、そして優しくなる。
抱きしめるってとっても不思議だ。
ずっとしていたいが腰が痛くてたまらない・・・。
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