仕事の昼休み。
職場の仲間とご飯を食べにいくのだが、昼間はサラリーマンでごった返している。
飯は旨いのだが、昼休みという制限と慌ただしい空気感の中、何を食ったのかその夜には忘れることもしばしば。
あまりに忙しく休んだ気がしない。
むしろ昼休み前より疲れている。
そんな昼休みを過ごしていた時に、ある喫茶店を見つけた。
職場の仲間もその喫茶店の存在は知っていたのだが、あんまり人気がない。
不人気な理由は、味が美味しくないということだ。
しかしその喫茶店に僕は虜になってしまった。
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昭和のレトロなこの喫茶店は、高層ビルの最上階にひっそりとやっている。
僕もこの喫茶店のランチをあまり美味しいと思わないのだが、景色の良さから、1人でもこの喫茶店に行ったりする。
味よりも場所の雰囲気を優先する自分の性格をこの時知った。
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子供の頃から、僕は高いところの景色が大好きだ。
あんなに遠く感じた道が、上から見るとすごく短い。
町全体がミニチュアになり、道路から見ていた世界が一気に小さな世界に思えてくるのである。
ずっと遠くまで町は続いているわけではなく、遠くになればなるほど、緑や山が少しずつ町の下から顔を出すのだ。
そんな景色をボンヤリ雲と一緒に見ていると、小学校の頃の僕がフィードバックしてくる。
小学校の僕はマンションの窓から、大阪の小さな町をずっと見ていた。
丘の上の教会や、自分の小学校、車が進む向こうの街・・・
見えてくるものが広がると、それだけ創造力も広がり、ただただずっと動くもの、光るもの、生き物を見ていた。
そんなただ流れていく目線が、大阪からこの名古屋の街へと変わらず重ねて見ていたりする。
そんな妄想に入り込む1分が、30を超えてもまだ感じ取れるのが、すごく嬉しい。
偉そうにスーツをきて高層ビルの上で珈琲を飲んでるのだが、頭の中は、今度の4連休何をしようかなんて、グラウンドを見て、昼休みを楽しみに待つ小学校の僕とそのまま同じだったりするのである。
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