【めんどくさい】は「やる気を出す」の言い訳から生まれる

メンドクサイの研究をしています(^^♪

さて前回はやる気についてお話をしました!

 

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できると分かることが「やる気」であるモチベーションを生む話をしました。

で、あればなぜ起き上がることすら億劫になるときがあるのはどうしてなのか?

 

答えは、ドーパミンが出ていないからなのですが、この「やる気」というのはどうも脳と関係しているようです。

 

 

 

 

やる気はどこから生まれてくるのか

 

そもそも「やる気」は、「脳」から生まれてきます。

脳は、自分では見えないため、「腕立て伏せを続けているから筋肉もついてきた!」というような実感はなく、「脳がこんな状態ならやる気が出ている」ということがピンと来ません。

 

脳がやる気が出ているときは 、脳波の数値があがっている”らしい”です。

ただやる気が出た時に脳波を図ったことがないのでわかりません。

 

でも少なくともやる気がでている感覚は何度も、今でも感じたことがありますし、感じています。

ではどんな時に、やる気というのは出てくるのでしょうか?

 

報酬があるとやる気が出る

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誰だってご褒美・報酬があればやる気が出ますが、この単純な話も脳科学で立証されているとのこと。

脳の器官の一つで「線条体」というものがあります。これは「依存や快楽と関係がある」とされている器官で、言い換えれば「やる気スイッチ」とも呼べる器官なのです。

 

「行動の結果、報酬がある」という状況においてはこの線条体が活発に動くことが分かっています。

 

線条体の悪い例からお話しますと、コロナ未曾有の中、パチンコ営業に並ぶお客さんが、メディアから連日バッシングをされていました。あれは線条体の異常な反応により、ギャンブル依存症を生み出し、意思ではなく、脳の病気を生んでいるのです。

 

やる気はコントロールしないと、壊れた蛇口のようにずっと出続けるということもあるようです。でもコントロールができればこれを生産的な活動へとシフトさせることもできます。

 

 

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結果よりも過程にやる気を見出す


線条体には、報酬がなくなってしまうと、報酬を与えられる前よりも線条体が反応しなくなってしまう、つまりやる気をなくしてしまうという研究結果があるようです。

 

でもこれは実生活でも感じます。仕事で言えば給料であり、給料が下がるとモチベーションが急激に下がります。ご褒美ありきになると、普段の行動意欲が途端に沸かなくなってしまいます。

 

そこで、やる気を持続させる方法として、結果(報酬)よりも過程(仕事・勉強)にやる気を見出す必要がでてきます。

 

報酬のためではなく、自分の意思で自発的に行動しているというスタンスが、やる気の維持に重要な意味を持ってくるのです。

 

それが前回紹介した、情動的喚起であり、以前の記事でやっていたことに繋がっていきます。

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 でも、今回の趣旨はここからです。

 

「そもそもやる気を出す必要があるのか?」

 

という、大前提をひっくり返すような話を紹介していきます。

 



「やる気なんて必要ない」ことに気づくべき

 

何かに着手したり物事を継続したりするためには「やる気が大事!」だと考えていましたが、脳科学者の茂木健一郎氏は、

 

「やる気は必要ない」

「やる気が出ないことを言い訳にしてはいけない」

 

と答えています。


茂木氏いわく、「やる気」という特別な要素が入ることで、むしろ、やらないことの言い訳としてやる気を持ち出しているに過ぎないと語ります。

 

私たちは、「いま、ここ」に没入して目の前の作業をこなしていく、という行動の連続で生きており、そこでは淡々とフラットにアップダウンなく続けていくほうがいいとのことなのです。


私たちが「やる気」と呼んでいるものの正体は、脳内で分泌される「ドーパミン」です。このドーパミンが分泌されることで、私たちはやる気に満ち、積極的に行動を起こせるようになるのです。

しかし、このドーパミンを分泌されるのは、実際に行動を起こしているとき。つまり、行動を始めないことには「やる気」を出すことなんて不可能なのです。

 

まずは動く

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人間は、行動を起こすから「やる気」が出てくる生き物なのです。

 

仕事、勉強、家事などのやらないといけないことは、最初は面倒でも、やりはじめると気分がノッてきて作業がはかどる。そうした行動の結果を「やる気」が出たから…と考えているだけ。

 

東京大学薬学部の池谷裕二教授

 

 

「まずは動く」ことが全て、というわけなのですが、この一番簡単な動くことがそもそも億劫なのです。

 

これがずっ~~と取り上げている【めんどくさい】が現れる瞬間です。

 

そこでの対策として、ライターの松沢直樹氏は

 

「一番簡単で負担が軽い仕事をひとつだけクリアする」

 

ことを挙げています。

 

作業興奮

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一番小さくて簡単な作業を終わらせると、終わらせるべき作業の全体像も見えてきやすくなります。仕事を進める意欲がわきやすくなるというのは、ある意味自然なことかもしれません。


たとえば経理の仕事をしている人なら、「交通費の伝票を1枚だけ処理しよう。終わったらお茶でも飲もう」と考えて、とにかくその伝票1枚だけを頑張って処理してみると、自分を無理に励まさなくても作業がはかどるのです。

 


こうして実際に進めてみると、心理的負荷が下がって次へ次へと仕事が捗っていきます。この状態を、ドイツの心理学者・クレベリンは「作業興奮」と名づけました。そして、この作業興奮が発生するのは、動き始めてから5分~10分程度と言われています。“とりあえず5分” をキーワードに、簡単なものから始めてみましょう。

 

「やる気」より「その気」

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辞書を読むと、やる気は “進んで物事を成し遂げようとする気持ち” と書かれているのに対し、その気は “そうしようという気持ちになる。相手に言われた通りの気持ちになる” と書かれてあります。


「やる気」が自分で自分を奮い立たせないといけないのに対して、「その気」は雰囲気や状況でなれる状態です。

 

その気になるような環境、状況にすれば、自分の意思とは関係なしに物事が進んでいきますので、力を振り絞ったり、額にはちまきを巻いたりする必要は全くなくなります。

 

ここまでめんどくさいについて語ってきましたが、今までのすべてが意思ではなく、構造や状態を説明してきた「環境」に当たります。

 

この「環境」を整備していくことが人類最大の敵である「メンドクサイ」に打ち勝つすべてなのかもしれません。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます!