【偉人:8】タモリさん

 

 このコーナーは、世界の偉人たちを、妄想ストーリーで紹介するコーナーです。

 

 

タモリさんを紹介

 

余白を持つ

 

 

仕事で行き詰っていたサラリーマンドグマくん。

「カラオケでもいこうか?」いつもどこか肩の力が抜けたタモリ部長にお誘いをうけた。

 

 

 

ドグマ:

はぁ~

 

 

 

タモリ部長:

ずいぶん疲れてるね

 

 

 

ドグマ:

 はい。こんなにがんばってるのに…。

常に走り続けているのに前に進めてる気がしないんです。

 

 

 

タモリ部長:

ほぉ

 

 

 

ドグマ:

どう思いますか?何をしたらいいんですか?

 

 

 

タモリ部長:

そうだね~まぁヘラヘラお笑い部長としては…

ハングリー精神なんて邪魔じゃない?この世界ハングリー精神じゃダメだと思うんですけどね。笑いなんか人間の精神の余分なところでやってるわけでしょ

 

 

 

ドグマ:

ハングリー精神は邪魔?

タモリ部長は前向きで熱い発言とは真逆の言葉が多いですよね。

 

 

 

タモリ部長:

ははは。そうだね

力みや過度な集中が「余白」を許さないのはどうなのかな。

余白を持とうという意識が、くだらなくて笑ってしまうんだけどね。

 

 

 

ドグマ:

余白…ですか。

でもそんな呑気なこと言っていたら他の上司に怒られますよ

 

 

 

タモリ部長:

だなぁ(笑)

 

 

 

戦争の考え方

 

 

ふとスマホを見ると遠い国での戦争についてのニュースが入ってきた。

 

 

ドグマ:

はぁ~戦争がなくなることはないんですかね

 

 

 

タモリ部長:

どうして戦争って起こると思う?

 

 

 

ドグマ:

え?難しいですね~

でも戦争が起きれば儲かりますよね。軍事産業ですし。

やはりビジネスではないですか?戦争は?

 

 

タモリ部長:

ビジネスね…どうだろ?僕はね…

人間の中に『好き』と言う感情があるからだと思うのよ。

そんなものがあるから、好きな物を他人から奪ってしまう。また、好きな物を奪った奴を憎んでしまう。ホラ、自分の恋人をレイプした奴を『殺したい』と思うだろ?

 

 

 

ドグマ:

!?

 

 

 

タモリ部長:

でも、恋人のことを好きじゃなかったら、攻撃に転じることはない。残念だけど、人間の中に『好き』と言う感情がある以上、この連鎖は止められないんだよ。

 

 

 

ドグマ:

好きという感情…

 

 

 

タモリ部長:

そう。

LOVE&PEACE』という言葉があるけど、LOVEさえなければ、PEACEなんだよ。その生き方は、かぎりなく動物や植物の世界に近いな。ただ、『好き』がない世界というのも、ツマラナイだろう? 難しい問題だよ、これは。どうしたもんかね?

 

 

音楽について

 

ドグマ:

せっかく来ましたし、歌でも歌いますか。

え~と…これ!

 

 

 

タモリ部長:

おぉ~!小沢健二くんの「さよならなんて云えないよ」じゃないか

 

 

ドグマ:

え?知ってます、この曲?

 

 

タモリ部長:

もちろん。

ホントに歌の歌詞で「ああ」ってなった人っつうのはね、最近ではこの人しかいないのよ。

 

 

ドグマ:

この歌でそんな歌詞ありますか?

 

 

タモリ部長:

『道を行くと、向こうに海が見えて、きれいな風景がある』そこまでは普通の人は書くんだけれども。それが『永遠に続くと思う』というところがね、それ凄いよ。凄いことなんだよ。まさにそのフレーズで随分…やっぱり考えさせられたよ。

 

 

ドグマ:

そんなにすごいフレーズですか?よくありそうな…

 

 

タモリ部長:

それはつまり"生命の最大の肯定"だよ。そこまでボク、肯定できないんだよね。

 

 

ドグマ:

へぇ~そこまですごいですか!

珍しいですね。タモリ部長がそこまで褒めるの

 

 

タモリ部長:

良い曲だよ。

しかもそういう凄いことを簡単に何の嫌味もなく書けるっていうのが一番凄いことなんだよ。人間の能力で一番凄いことは複雑な物を簡単にポッと出す事なんだよね。簡単なものを複雑にやるのが一番バカなんだよね。

 

 

ドグマ:

ははは(笑)

なんだか肩の力が抜けました。

 

 

タモリ学溢れるカラオケは、続いていく。

 

 

解説

タモリさんは座右の銘として、「現状維持」を挙げています。

 

一般的には「現状維持」とは、甘えであり、現状維持を良しとしない傾向があります。
そこを敢えて、「現状維持」を謳うのは、現状と将来を俯瞰的にとらえず、ただただ「いま」に向けて意識を向けているからです。


ハングリー精神の様な「貪欲さ」がこれまでの自分以上の結果まで届かせることは承知しつつ、自身のフィールドである「笑い」に関しては、それが力みとなり、結果的に笑いが起きない悪循環を生む。そうであれば人間の精神の余分なところが笑いであるのだから、精神に余白を持たすことが大事と説いています。

 

そんな肩に力の入っていない座右の銘こそ、一番自分を発揮させてくれる気がします。

 

 

 

 

イラストとリンク

 

 

イラスト

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 リンク

toyokeizai.net