【偉人:4】フリードリヒ・ニーチェ~ドイツ哲学者

  

 

 フリードリヒ・ニーチェ

超人思想

 

サラリーマンドグマくんは、会社という存在を信じていた。どんなにしんどくても、どんなに苦しくても終身雇用を信じていた。が、それも信じることができない相次ぐ倒産の二ュースに、焦っていた。

 

 

ドグマ:

ぼ、、ぼくは何を信じたら、、、ん、ニーチェから電話だ!もしもし?

 

ニーチェ

会社は死んだ

 

ドグマ:

なんだ急に!?会社は死んだ!?

 

ニーチェ

ドグマ。もうわかってるだろ?会社を信じ生きて、生きる意味すら会社の存在に委ねているが、そうではないだろう?

 

ドグマ:

急に電話をかけてきて何を言い出してるんだ!

 

ニーチェ

しかし、真実、会社には意味などない。

 

ドグマ:

会社のために僕らは働いているんだ!もし会社に意味がないのなら、この世界の意味はなんなんだ?

 

ニーチェ

この世界に意味などない。この世界は意味もなく虚構なものなのだ。

 

ドグマ:

なっ!?そんな寂しい答えないだろ!

 

ニーチェ

しかし会社を信じるなどまやかしでしかない。我々は、この虚構の世界で生きている。

それを知った上で、我々は限界を超えて生きて行くことが大切なのだ。積極的に生きる。それが我々には求められている。それを私は超人と呼んでいる。会社などのまやかしを信じると生きる意味をそれこそ見失うぞ。

 

 

 

サラリーマンドグマは気づいた。ニーチェのいう「会社」とは具体的な会社を指しているわけではない。それは、『真理』『善』『正義』など、超越的な存在を会社として表現しているのだ。ニーチェはそれらが『死んだ』と言っている。いや、それどころか、そんな非現実的なものを信じるから、人間は生きる意味を見失ったのだとさえ断言する。

 

実存主義

 

 ドグマ:

でも必死で働くことは、素敵なことじゃないですか!誰かのために動くというのは人としての使命ではないか!だから寡黙にコツコツとがんばるんだ!

 

ニーチェ

それは国の教育にそう思わされているだけだ。古来、人類は、「狼」のように強者を『善い』とする価値観を持っていたが、あるときから『羊』のような大人しい弱者を『善い』とする価値観を持つようになった。

 

ドグマ:

羊・・・

 

ニーチェ

これは自然な、人間本来の価値観ではなく、あとから宗教家や道徳家によって正しいと思い込まされた人工的なものであり、支配者が人間を都合よく大人しくさせるための抑圧の道具にすぎないのだ

 

 

ドグマ:

!?

 

ニーチェ

そして、会社や世間の目など、目には見えない超越的なものばかりに意識し、信じ、現実の存在を蔑ろにしがちであるのだ。いまこそ、『会社』を崇拝するのではなく、現実の存在、その実存に目を向けた生き方をせよ!

 

 

解説

ニーチェの会社は死んだは、実際に使われた「神は死んだ」の現代に合わせたパロディです。ニーチェは「神は死んだ」という言葉でキリスト教によって構築された世界観を否定し、世界には何も意味がなく、虚構であるとしました。それを知った上で限界を超えてなおも積極的に生きようとする人間を超人と呼び、そのように生きよと訴えたのです。

 

 

そして、これは哲学の歴史である、「善」や「正義」を追い求めてきた人間の思索の歴史に、ニーチェが終止符を打ったことを意味しています。善を追求する哲学の歴史をソクラテスが始めて、それをニーチェで終わらせた。「善く生きる」と「神は死んだ」。ニーチェを知ることで哲学史の流れを少し理解できるのかもしれません。

 

イラストとリンク

 

イラスト

 

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