このコーナーは、世界の偉人たちを、妄想ストーリーで紹介するコーナーです。
ルソーの紹介
社会契約論の考え
ドグマ:
チクショー、なんなんだよこの社会は!平等、平等って!全然平等ではないじゃないか!
サラリーマンドグマくんは浴びるほど飲んでいた。この社会に対する不満を一人ぼやいていた。そこに最近飲み仲間になったルソーが横から入ってきた。
ルソー:
おっドグマ!今日も荒れてるねー!
ドグマ:
ルソーさんですか。。。聞いてください!もうこの社会はどうなっているんですか。僕をどこまでも不自由にさせているんですよ。この社会はこれで正しいんですかね!?
ルソー:
ははは!議題が、「社会契約論」じゃないか!
ドグマ:
それってルソーさんが最近ブログで書いてバズッてるやつっすよね?なんかタイトルからして読む気失せて読んでないんですよ。
ルソー
まあ簡単に言えば、ドグマのように正しい社会とはどんなものかを考えてみたいって感じよ。ドグマが何不自由なく自然であるがままだとした時、そんなドグマと暮らす人々の集まりの中にルール(法律)を作ろうとした。そのルールー作ろうとする中で、その人々の世界にとって正しく確実な考え(政治上の法則)があるのかを調べてみたいんだ。
ドグマ:
その調べた先に、僕の疑問も解消できると?
ルソー:
その通り!人間は自由なものとして生まれたのに、気がつけば至る所で、鎖に繋がれている。どうしてこの変化が生じたのか?なぜそれを正しいこととしてきたのか?僕も気になっていたんだよ。
ドグマ:
なんかルソーさんって賢そうだから、いつも難しいことばかり考えてそうだけど、考えてることって、僕とも同じなんですね。
ルソー:
そりゃ共感を生まないとバズらないだろ
力は権利を生み出さない
ドグマ:
とりあえず、この社会でわかっているのは、強い人はめっちゃ有利っすよね!
ルソー:
強い人が有利?
ドグマ:
上司の命令は絶対じゃないですか!?でも上司にもその上がいて。社長の上にも、さらに強い親会社があって、強い人がいつも絶対じゃないですか!
ルソー:
なるほど。それは「最強者の権利」という話だ。最も強い力をもつ者が、他人に義務を課すことができるとする考え方だけど、私はこれは、原因と結果を取り違えていると思っている。
ドグマ:
そうっすか?めっちゃあるあるなんすけど。
ルソー:
めっちゃあるあるかもしれないけど、その力では権利は生まないんだ。
そうだなぁ、例えばピストルを持っている人間に脅されたとき、自分の財布を差し出さないと殺されてしまう。しかしこのことがピストルを持っている人間(原因)に財布を差し出さねばならない義務(結果)があることを意味しない。
ドグマ:
あぁ~。確かに仮にそうだったら、脅迫にはいつでも従わなければならないことになるんっすもんね。でもそんな義務はどこにも存在しないし、実際に従っているとしても、それはあくまで自分の生命が掛かっているからですもんね。
ルソー:
そうなんだ!力は権利を生み出さないし、また人が従うべき義務をもつのは正しい権力に対してだけだ。そうした感度があるからこそ私たちは、上司としての立場やピストルによる脅迫は批判されるべきだと考えるし、弱肉強食の世界があってはならないと考えるのだ。
一般意思と法治国家
ドグマ:
ではルソーさんは正しい力とは何だと思っているのですか?
ルソー:
正しい力とは、市民感覚、いわゆる一般意思がその力の源なんだ。人々が平等で共通の利益にめがけて成長することだ。誰か一人の利益では、この一般意識を生まない。だから強いだけでは、力を持たないのだ。
ドグマ:
なるほど。でもどうやってその一般意思を作るのですか。市民感覚なんてぼやけていますよ。
ルソー:
例えば投票というやり方がある。全員が全員の利益になるのは、やはり困難だ。だから投票でその一般意思を表明する必要があるな。
ドグマ:
多数決で一般意思を表現するわけですか。でも表明するだけで、それが実行されなければ、ただの表明で終わりませんか。
ルソー:
それを国家が運営するのだ。みんなで決めた共通した正しい利益だ。それが正しく運用し合っているのかどうか。法治国家の根本がそこにある。
この考えは後に、「フランス革命」という市民運動に繋がる。民主主義の原理を示したルソー。社会契約論は人々の集まりのルールを取り払い、何を正しい運営と考えるのかから始まっている。ルソーの考えは、人々を性善説として考えた理想の主義ではあるが、人間の原理は、性悪説も兼ね備えており、単純なものではない。
フランス革命によりルソーの唱えた民主主義は生まれるが、わずか20年でナポレオンが現れフランスを統治する。
そして時代は流れ、ドグマくんが暮らすこの現代社会でも不平等を感じ、この運営そのものが正しいのか改めて考える機会に差し掛かっているのも事実である。
イラストと紹介
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